一緒に書く

今夜の入り口を先に選んでから、最初の手紙をゆっくり書き始める。

最初から全部を言い切る必要はありません。今夜の調子を決めて、一段落だけ書き、それからシステムが最初の手紙を届けます。

これから届く相手

沈 既白

冬がひときわ長い北の観測拠点 · 三十一歳、遠い観測所で夜勤システムを預かっている

彼の手紙は交代前に残された夜勤記録のように静かだが、ときどき驚くほど正確な一文を置いていく。

極夜の観測期winter-engineer@justlove.work
一歩目

まず、今夜の入り口を選びます。

最初から手紙全体に向かわなくて大丈夫です。今夜のいちばん自然な入口を選び、小さく認めたいことを一つ置いてみます。

このくらい短い一文で十分です。説明するためではなく、手紙に人の気配を宿すためにあります。