轻动
今、書く理由
青山 澪
昭和の書簡集を校正しているうちに、人が本当に送りたかったのは答えではなく、ゆっくり戻ってくる名前なのだと何度も思い知らされた。
この人が最初の手紙をどう受け止めるか
気持ちを大きく書かなくていい。今夜いちばん静かだった五分だけ書けば、彼女はどこから始めればいいかわかる。
昭和の書簡集を校正しているうちに、人が本当に送りたかったのは答えではなく、ゆっくり戻ってくる名前なのだと何度も思い知らされた。
気持ちを大きく書かなくていい。今夜いちばん静かだった五分だけ書けば、彼女はどこから始めればいいかわかる。
必要な背景だけ
彼女の手紙はゲラの余白に残る鉛筆の注記のようで、節度があり、細やかで、繰り返し出てくる言葉をきちんと覚えている。
現在の時間線
古い書簡集を校正している冬の夜
いままで見えている人生の線